親の介護が始まると、施設の費用や在宅のサービス代がかさみ、家計の見通しが気になってきます。そのとき知っておきたいのが、障害者手帳がなくても、要介護の親が税の「障害者控除」の対象になる場合があることです。大阪で施設探しをお手伝いしている私たちが、大阪市・八尾市・枚方市の窓口と申請のしかたを、各市の公式の案内(2026年10月10日に確認)をもとにまとめます。
障害者控除対象者認定書とは、身体障害者手帳などを持っていない65歳以上の方について、寝たきりや認知症の程度から、税法上の障害者または特別障害者に準ずると市区町村が認めたことを示す書類です。所得税や住民税の申告のときに使い、本人や、本人を扶養している家族の障害者控除・特別障害者控除の手続きに使えます。税の申告以外には使えず、障害者手帳の代わりにはなりません。
費用の見通しも含めて、住まいの相談をどうぞ。
施設の費用や住まい探しは、お電話・LINEでご相談ください。税の手続きそのものは市の窓口や税務署にお尋ねください。ご相談は無料です。私たちへの紹介手数料は、ご入居が決まった施設が負担する仕組みです(施設の入居費用とは別のものです)。
手帳がなくても対象になることがある
障害者控除というと、障害者手帳を持っている人の制度と思われがちです。けれども、介護保険の認定を受けている65歳以上の方のうち、寝たきりや認知症の程度が一定以上の方は、手帳がなくても、市区町村から「障害者控除対象者認定書」を受けて控除の対象になる場合があります。大阪市は要介護認定を受けた方、八尾市・枚方市は要支援も含めた方を対象とする案内です。
ただし、要介護認定を受けていれば誰でも対象になるわけではありません。どの程度なら対象になるかは、各市が認定調査の結果などをもとに判断します。まずは住んでいる市の窓口で確かめるのが確実です。初めて介護保険を使うときの流れは八尾市の介護保険の申請窓口一覧や枚方市で初めての介護保険にまとめています。

大阪市・八尾市・枚方市の窓口と必要なもの
3市の公式の案内で確かめられた内容です(2026年10月10日時点)。窓口の名前や必要なものは変わることがあるので、出かける前に電話で確かめてください。
| 市 | 窓口 | 主に必要なもの・注意 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 住んでいる区の保健福祉センター(保健福祉業務担当)。一部はオンライン申請も可 | 認定申請書(必須)。認定調査を受けていない方や調査で「自立」「Ⅰ」などの方は、診断書が要る場合あり(医師の種類に指定があるので、受診の前に区へ確認)。代理の人が持って行くときは委任状 |
| 八尾市 | 高齢介護課(市役所本館2階・072-924-9360) | 要介護・要支援の認定がある方は、申請書と介護保険被保険者証。認定がない方は、申請書と医師の証明書。判定はその年の12月31日の状態で |
| 枚方市 | 介護認定給付課 介護認定係(072-841-1460)が認定書を発行 | 手帳を持っていない65歳以上の要支援・要介護の方で、認定調査の寝たきり度・認知度が一定以上の方が対象 |
八尾市の案内では、判定の基準になる日はその年の12月31日で、その日に満65歳以上で市内に住んでいることが条件です。ほかの市でも、控除を受けたい年のどの時点の状態で判定するかは、窓口で確かめてください。

どんな状態が対象になるか(大阪市の基準の例)
大阪市の案内では、要介護認定を受けた65歳以上の方で、次のような基準に当てはまる方が対象とされています。
- 障がい者控除:認知症の日常生活自立度がⅡa・Ⅱb程度、または身体障がい者手帳の3〜6級に相当する状態など
- 特別障がい者控除:寝たきりで複雑な介護が要る状態、認知症の日常生活自立度がⅢa〜M、または身体障がい者手帳の1〜2級に相当する状態など
ここでいう「日常生活自立度」は、要介護認定の調査や主治医の意見書で判断されるものです。家族が自分で決めるものではないので、親がどの程度にあたるかは窓口で確かめてください。八尾市・枚方市も、介護保険の認定の情報をもとに判定すると案内しています。

認定書を受け取ったら、どこに出すか
認定書は、税の申告のときに使います。八尾市の案内では、所得税と市・府民税の申告のときに示すことで、本人または扶養している家族が障害者控除・特別障害者控除を受けられるとしています。
- 会社勤めの家族が親を扶養している場合:年末調整は勤め先へ。認定書を見せるか出すかは勤め先の指示に従う
- 確定申告をする場合:税務署へ
- 住民税の申告をする場合:市の税の窓口へ
控除でどれくらい税が軽くなるかは、収入や扶養の状況で変わります。私たちは税の計算はしていないので、具体的な金額は税務署や市の税の窓口、税理士にお尋ねください。

施設に入っている親の場合
親が老人ホームなどに入っていても、介護保険の認定を受けていれば、申請できる場合があります。入所中の申請先は、まず親の住民票がある市の認定書の窓口に「施設に入所しているが、申請先はどこか」と聞いてください。私たちの側では申請先を決められません。
税額の見積もりは税務署や市の税の窓口へお尋ねください。大阪の施設の月額の目安は大阪の老人ホームの費用相場と内訳に、生活保護を受けている方の施設探しは大阪市で生活保護でも入れる老人ホームの探し方にまとめています。

申請の前に確かめておくこと
- 親が要介護・要支援の認定を受けているか(介護保険被保険者証を手元に)
- 親の住民票がどの市にあるか
- 控除を受けたい年。過去の年の分の認定書を出せるかは、窓口で確認
- 代わりに申請するときに要るもの(委任状や本人確認の書類など)
- 親がすでに障害者手帳を持っているか(持っている場合は、手帳で控除を受けられることが多い)
申請から受け取りまでには日数がかかることがあります。年末調整や確定申告の時期に慌てないよう、早めに窓口に問い合わせておくと安心です。

よくある質問
要介護の認定を受けていれば、必ず障害者控除を受けられますか?
いいえ。認定調査の寝たきり度や認知症の程度などをもとに市が判断するので、要介護認定があっても対象にならない場合があります。親がどの程度にあたるかは、住んでいる市の窓口で確かめてください。
家族が代わりに申請できますか?
大阪市の案内では、代理の人が書類を持って行くときは委任状が要るとされています。八尾市・枚方市で家族が申請できるか、何が要るかは、それぞれの窓口に確かめてください。
親が施設に入っていても申請できますか?
介護保険の認定を受けていれば、申請できる場合があります。まず親の住民票がある市の認定書の窓口に、入所中の場合の申請先を聞いてください。
認定書は福祉のサービスにも使えますか?
使えません。八尾市の案内にもあるとおり、税の申告以外には使えず、障害者手帳の代わりにもなりません。福祉のサービスは、介護保険や手帳の制度で別に手続きします。
どれくらい税が軽くなりますか?
収入や扶養の状況で変わるため、この記事では金額を示していません。税務署や市の税の窓口、税理士にお尋ねください。施設の費用の見通しについては、私たちにもご相談いただけます。(2026-10-10 時点の情報。出典:大阪市・八尾市・枚方市の公式ページ。窓口や必要なものは変わることがあるため、申請前に各市へ確認してください)
- 手帳がなくても、介護保険の認定を受けた65歳以上の方は、寝たきりや認知症の程度によって障害者控除の対象になる場合がある
- 窓口は大阪市が区の保健福祉センター、八尾市が高齢介護課、枚方市が介護認定給付課。必要なものは市で違い、八尾市は認定がない方でも医師の証明書で申請できる
- 認定書は年末調整・確定申告・住民税の申告に使う。金額や税の判断は税務署や市の税の窓口へ
大阪老人ホーム相談室

